シロアリは家屋に深刻な被害をもたらす害虫であり、早急な駆除が求められます。しかし、悪徳業者にだまされてしまうと、金銭的な被害だけではなく、被害がいっこうに解決しない可能性もあります。この記事では、悪徳業者の代表的な手口と、そのような業者を見分けるためのポイントをくわしく解説します。
悪質業者の手口
シロアリの被害が発見された場合、経験や知識が乏しいと、どの業者に依頼すればよいか分からず困る方も多いでしょう。早く解決しようとあせってしまい、悪徳業者に依頼してしまう可能性もあります。ここでは、悪質なシロアリ駆除業者の手口について解説します。
実在会社に見せかける
悪徳業者は、実在するかどうかも不透明な場合があります。偽のホームページを作成し、実在の会社であるように見せかけて営業し、契約を取るケースもあります。
検討する時間を与えない
悪徳業者は曖昧な説明のまま契約を急かす傾向にあります。検討する時間を与えず、契約に結び付けたいためです。早く契約させたいため、明確な見積もりや作業内容の説明を避ける傾向もあります。
作業が雑
悪質業者の特徴としてよく見られるのは、実績や経験の不足です。シロアリ駆除には、状況に応じた技術や判断力が求められますが、悪徳業者はこれを欠いています。駆除は、薬剤を散布するだけで終わるものではありません。
侵入経路や発生原因を突き止め、根本から解決する必要がありますが、悪質業者はこうした複雑な対応をせず、簡易な処置で済ませることが多いです。そのため、一時的にシロアリの姿が消えても、すぐに再発してしまうでしょう。
安い基本料金で契約させ、高額請求につなげる
悪徳業者は、電話やメールでの問い合わせに対し、格安の基本料金だけを伝え、実際の現地調査では追加の高額費用を請求してくる傾向があり、注意が必要です。
悪質業者を見分けるポイントは?
シロアリ駆除業者を選ぶ際もっとも重要なことは、悪徳業者に引っかからないことです。ここでは、悪徳業者を見分けるためのポイントを解説します。
営業してくる業者は避ける
訪問営業や突然の勧誘に注意しましょう。悪徳業者は、しばしば近所でシロアリ被害が発生していると突然自宅を訪れ、点検を提案してきます。住人の不安をあおり、家族に相談する時間や、熟慮する時間を与えないためです。
このような業者と契約してしまうと、相場以上の金額を請求される可能性があります。優良業者は基本的に、事前連絡なしで訪問し、無料で点検することはありません。今だけの特別価格、今日しかできないといった言葉にも、とくに注意が必要です。
企業実態を把握する
悪徳業者は、一見信頼できそうな名刺を渡し契約を交わした後、当初の見積もりよりも高額な追加料金を要求してきます。不明瞭な社名を名乗る業者が訪問してきた場合、まずその場で断り、調査しましょう。
名刺を受け取った場合は、社名や住所をインターネットで調べて、実在する業者であるかを確認しましょう。口コミなどを参考にするのも大事です。とくに、ひとり暮らしや高齢者の家庭は狙われやすいので注意が必要です。
費用は見積もりで確認
極端に安い価格を広告している業者にも注意しましょう。たとえば、500円で駆除可能など、極端な価格の広告をネット上やSNSで見かけます。
しかしそれは、追加作業が必要などと理由をつけ、最終的には数万円もの高額費用を請求するという、悪徳業者のよくある手口です。格安サービスをうたう業者は、初めに提示された価格とは異なる高額な追加料金を要求してくる傾向にあります。
こうした業者は、調査が雑であったり、ホームページに記載されている内容と実際のサービスが大幅に異なったりするため、注意が必要です。費用は必ず見積もりで提示させ、作業内容が明確で、相場に近い適正価格であった場合は依頼してもいいでしょう。
被害にあってしまったときにやるべきこと
悪徳シロアリ駆除業者と契約してしまった方、またはしつこく勧誘を受けて困っている方は、冷静に対応することが重要です。まず、信頼できる人や行政機関に相談して助言を求めましょう。周囲の意見を聞くことで、状況を客観的に判断しやすくなります。
相談窓口に連絡する
消費者庁が提供している「消費者ホットライン」などの相談窓口も活用しましょう。ここでは、悪徳業者に対する対策や今後の進め方について具体的なアドバイスを得られます。
工事がすでに始まっている場合でも、ひとりで悩まずに、まずは相談することが重要です。専門家に相談することで、解決の糸口が見えてくるかもしれません。
クーリングオフを利用する
契約してから8日以内であれば「クーリングオフ制度」を利用できる可能性があります。クーリングオフとは、一度締結した契約を一定期間内であれば無条件で撤回・解除できる制度です。
この制度は、訪問販売や悪質な業者との取引に対して有効で、契約を撤回したい場合に強力な解決手段です。クーリングオフする際は、口頭ではなく必ず書面や電子媒体で通知しましょう。
たとえば、電子メールや、FAX、または業者が提供する専用フォームなど、記録が残る方法での通知が必要です。ただし、クーリングオフは契約日から数えて8日以内に手続きしないと適用されません。期限を過ぎてしまうと、解除が難しくなるため、早めの対応が求められます。
まとめ
シロアリ駆除は、専門知識が必要な作業であるため、業者選びが非常に重要です。悪徳業者に依頼してしまうと、思わぬ金銭的被害や施工の不備が発生するリスクがあります。悪徳業者の手口や見分け方を参考にし、実績のある、信頼できる業者を選ぶことが大切です。もし被害に遭った場合は、落ち着いて消費者センターや専門機関に相談することが解決への近道です。